2011年2月28日月曜日

エミッションフリーで80日間世界一周を達成した3台のEV。


昨年2010年8月17日に、スイス・ジュネーブの国連前からスタートした、EVによるエミッションフリー(排気ゼロ)の世界一周レースZero Race。参加した3台のEVが24日、ジュネーブに帰ってきた。188日間、うち陸路80日間の世界一周の旅が終わった。予定より一ヶ月遅れたゴールインだ。


オーストラリアチームの乗る、2人乗り3輪電気自動車TREV。


ドイツチームの乗る、電気スクーターVectrix。これは日本でも既に販売されているEVだ。http://www.vectrix-japan.com/


スイスチームの乗る、ハイテク二人乗り電動バイクZerotracer。低速走行時に車体横から出てくる補助輪がかわいらしい。

いずれも1回の充電で250km以上を走れるEV。各チームは自ら発電するか、風力、太陽光、水力などのクリーンエネルギーで発電した電力のみを使用することがルール。であったが、実際はクリーンエネルギーの確保にかなり苦労したようで、オーストラリアチームのあるメンバーによると、どうしてもクリーンエネルギーの得られなかった状況下にて、消防署の電源を借りたことがあったという。

レースを主催したのは、スイスの学校教師ルイ・パルメ(Louis Palmer)さん。パルメさんは2年前に、太陽エネルギー駆動のタクシーを運転し、道中で有名人を乗せながら18か月間で世界一周を達成して話題となった人物。このレースは国連が後援した。

以下の動画は、テキサスを走る3台のEVの様子。パルメさんの乗る伴走車の小型バンから撮影されたもの。この車両の排気はカーボンオフセットされたとのこと。


http://www.zero-race.com/

2011年2月27日日曜日

迫力あるドリフト走行を魅せるスーパーセブンのようなフォーミュラーEV。



上の画像はEVフォーミュラーマシン「i Racer」のコンセプトイメージ。ロータススーパーセブンのレプリカモデルを生産していることで有名な、英国ウェストフィールド社が開発しているもの。ここ数年、その技術力を生かして、EV開発に取り組み始めている。この画像は2010年1月時点のもの。

2個のモーターをそなえ、最大出力108ps、最大トルク102kgmを実現。リチウムイオンバッテリーを車体中央株とフロントにレイアウトするも、車体重量は600kgという軽量におさえられており、0-100km/h加速5秒以内、最高速177km/h(リミッター)というパフォーマンスを発揮。2時間でフル充電、航続距離は88km。

欧州各地で行われてるEVカップにエントリーし、レースで得られたノウハウをもとに、市販モデルの開発もおこなっている。今年は、アメリカンルマンシリーズのLMPでトップ争いを繰り広げてきたドライソンレーシングがiRacerを駆って、EVレースに参戦することになった。ドライソンレーシングは、イギリスの科学イノベーション大臣もつとめたポールドライソン卿のチーム。昨年まででスポーツカーでの活動に一区切りをつけ、今年からは新たに始まるゼロエミッションシリーズに参加するとのこと。

ドライソン卿は、「ドライソン・レーシングはこれまでの4年間、第2世代のバイオフューエルで戦ってきたが、その間も電気自動車に関する技術を見つめてきた。そして、このテクノロジーが刺激的なフィールドになる時を待っていたんだ」と語っている。

以下は、2010年5月時点でのiRacerのコンセプトモデル。ウェストフィールドらしいスーパーセブン型の車体が繰り広げるドリフトは、EVと思えないほど迫力がある。

2011年2月26日土曜日

今後こういう公衆充電装置が道路に立ち並ぶ日も近い。


General Electric(GE)社が公開した『WattStation(画像)は「公衆充電」装置で、有名なインダストリアル・デザイナーであるイヴ・べアールが手がけたもの。今後こういう公衆充電装置が道路に立ち並ぶ日も近い。街の風景も一変するだろう。WattStationは、220ボルトの給電が可能な「レベル2」の充電装置だ。米国では、電気自動車の充電方式をレベル1からレベル3で区分している。レベル1は家庭用電源120V12A、レベル2が事業所向けや一部変更工事を必要とする家庭用電源240V1530A、レベル3480V100400A。WattStationでは、日産自動車の『リーフ』クラスの車であれば7時間でフル充電できる。2時間の充電でも、リーフの容量24キロワット時のバッテリー・パックであれば、約40キロメートル走れるようになる。


2011年2月25日金曜日

世界一速い電気自動車を目指すGreenGT


もうすぐ始まるEVファントムも登場するジュネーブショー。昨年2010年のジュネーブショーで、スイスの自動車メーカーGreenGT社が発表したTwenty-4。ルマン24時間耐久レースに出ることを目標に開発が進められているもので、今年2011年のレースに間に合えば、史上初のルマンへのEVでの参戦だ。

デザインをしたのはフランス人若手デザイナーのトマ・クラベ。カーボンファイバーのシャシーに、グラスファイバーのボディで、車両重量は860kgにおさえられている。100kWの水冷式モーター2基に独自開発のギアボックスを組み合わせ、最大出力350-400ps、最大トルク203kgmを実現。リチウムイオンバッテリーを搭載、ボディ上部のソーラーパネルでの充電もできるようだ。

しかし、2010年時点では、まだ最高速が280km/hどまりということで、参戦には遠かった。公式webの更新が少なく、3ヶ月強先の今年のルマンに、出れそうなのかどうかがよくわからないのだが、ぜひ出場してほしい。また、3年以内には、公道走行可能モデルを22台限定で製造する予定もあるという。

以下はCGによるイメージ映像。


こちらはテスト走行や開発者、ドライバーのインタビューなどの映像。車体デザインはTwenty-4とは違うが、速い。

2011年2月24日木曜日

なによりも『エネループ』ブランド折りたたみの電動ハイブリッド自転車だ。




三洋電機の電動ハイブリッド自転車『エネループバイク』が米国でも発表された。三洋電機は、1970年代初め以来、日本で電動自動車を作り続けている。だがこれは、日常的に自転車に乗る人にとって最も楽な製品であり、なによりも『エネループ』ブランドの製品であるため、エネルギー使用の観点からも環境志向的な製品だ。
かつコンパクトな折りたたみ電動ハイブリッド自転車だ。下の画像は同じシリーズのデザイン違い。



2011年2月23日水曜日

エンブレムのフライングレディが光り輝く、超高級ラグジュアリーEV


誰もが知っている最高級自動車メーカー、ロールスロイス。EV開発に非常に力をいれているBMWの傘下であることも影響してか、ついに電気自動車の開発に着手したという。3月1日にジュネーブモーターショーで披露される予定。詳細はこの日に発表されるのを待つしかないが、ひとつわかっている大きな特徴は、エンブレムのフライングレディが光るということだ。


「102EX」と名付けられたこのEVは、ロールスロイスの誇る名車「ファントム」をベースとしている。ファントムは総排気量6.75L、燃費は6km/lほどという、エコとは縁遠い存在であったが、これがついにEV化される。テーマは「ELECTRIC LUXURY」。2011年は各種のテストをおこなっていく予定とのこと。

以下はTorsten Muller CEOのコメントも入った、プロモーション映像。


http://www.electricluxury.com/

2011年2月22日火曜日

この空中に浮かぶ謎の飛行物体は?高高度に吹く風が持つエネルギーは世界の電気需要の100倍。

今日はEVの流れで電気エネルギーの話。この空中に浮かぶなぞの飛行物体は、高高度に吹く風が持つエネルギーに関する初めての本格的な研究によると、高度約500メートル~12200メートルの上空には、世界の電気需要の100倍を十分満たせるだけの風力が存在すると推定されている。
地上の場合、風力発電にうってつけの地域でも、風力密度は1平方メートル当たり1キロワットを下回る。だが、ニューヨーク市上空のジェット気流の近くでは、風力密度が1平方メートル当たり16キロワットに達する可能性がある。風が弱まったり止んだりする問題を克服できれば、そのあたりの空域は、非常に大きな可能性を秘めたエネルギー源となる。

(ソースはwiredvisionから)

2011年2月20日日曜日

BMWがEV第二弾ActiveEを米国、欧州、中国に1000台導入!


2013年のEV市販化に向け、段階的に研究開発を行っているBMWが、「EVデロリアンと実証試験中のMINI Eの2ショット。」という記事で紹介した、MINI Eに続くEV第二弾 Active Eを発表した。BMWは2013年にサブブランドとしてMCV(メガシティビークル)という市販型EVを展開する計画。その技術研究開発の第一弾のMINI Eは世界各地に600台を投入し、実証試験を行っている。次段階として、このActiveEをアメリカ、ヨーロッパ、中国に1000台以上投入するという。EVの量産化の展望を検証するとともに、日常生活環境におけるEVの使い勝手なども検証される予定。


MINI Eが2人乗りだったのに対して、ActiveEは4人乗りで、荷室も200L。MCV用に開発している途中のパワーユニット、バッテリーシステムを採用し、BMWの伝統通り後輪駆動。モーターの最高出力は125kW、最大トルク250Nm。0-100km/h加速は9秒、最高速は145km/hでリミッターがかかるとのこと。110V/16A電源を使って16-20時間でフル充電、240V/32A電源では4-5時間の急速充電も可能で、航続距離は160kmほど。テストでは最大で240kmを実現したという。

以下はプロモーション動画。走行音もかっこいい。

8ビット世代の若者をターゲットにした都市向け小型ハイブリッド。


トヨタが昨年のデトロイトモーターショーで初披露し、その後いくつかのモーターショーでも展示がおこなわれた、ハイブリッドコンパクトカーのコンセプトモデル「FT-CH」。プリウスをはじめ、エスティマハイブリッドや、クラウンハイブリッドなど、大型な車種のハイブリッドを販売してきたトヨタの、初めての5ナンバーにおさまるコンパクトカーモデルだ。「圧倒的な環境性能」を追求しながら「走る楽しさ」との両立を目指したとのこと。

デザインは、ニースに拠点を置くトヨタ系のED2(ヨーロッパデザインディベロップメント)が、担当。ファミコンを代表する、8ビットコンピューターにインスパイアされたという。8ビットゲームで子供のときに遊んでいたくらいの年齢の人がクルマに乗れる若者になっているいま、そこに訴えかけようとしている。価格も収入の少ない若者が購入しやすいように安く抑えるようだ。



トヨタは2012年までに既存ハイブリッド車のアップロードはもちろん、新しく8つのハイブリッドモデルを登場させる予定。FT-CHは、米国ではプリウスの知名度を生かして、その派生車として発売する可能性が高いとのこと。くわえて電気自動車も少しずつでてくるであろう。昨年末には、Tesla社との共同開発のRAV4-EVも試作車ができあがっている。

2011年2月19日土曜日

2027年にBMWがパーソナルモビリティーをつくるとしたら。


2027年にBMWがつくるクルマというイメージでつくられた、Alfredo Marín氏のコンセプトモデル。名前は「Svala」、スウェーデン語でツバメという意味だ。リカンベント自転車のような形をした3輪のパーソナルモビリティー。

面白いのは、その充電方法。車体を後ろに向けて、街頭のポールに垂直に登り、花びらのようなソーラーパネルを大きく開いて太陽光を集める。その様子がわかる動画は以下から。ジャックと豆の木だ。

2011年2月18日金曜日

コンセプトムービーを見ていると、まるで飼っている犬を見ている様な気持ちになりました。明らかに生命体として、まるで感情があるかの様な存在を感じさせてくれます。

今日は慶応SFCの坂井研の学生から寄せられたメールをそのまま掲載します。今の若者の車に対しての意見を象徴しています。そしてこの動画のすべてが自動車が走行している状態ではなく、デジタルモックアップをオブジェクトとして眺めている状態です。

学生:車というのは、僕らの世代でも乗り物や移動手段と捉えています。また、乗っている車によってその人の感性や富(階級)を表す、ファッションアイコン(シンボル)としても見ているのかなと思っていました。



ところが、今日ふとコンセプトムービーを見ていると、まるで飼っている犬を見ている様な気持ちになりました。明らかに生命体として、まるで感情があるかの様な存在を感じさせてくれます。そう考えると、トランスフォーマーを思い浮かべたのですが、車が生命体として存在しているものの、あの形(利用シーン)では僕にはどうもロボットとしてしか見る事が出来ず、とても違和感を感じていました。



ところが今日ふとこれらのコンセプトムービーを見ていたら、車が僕らの方へ歩み寄って来ている様な気がしてなりませんでした。僕らの子どもや孫の世代、EVが当たり前に走っていて、また当たり前に家の中に入り込み、そこで走るという車以外の機能を果たしたら、もう車ではなく、生命体として捉えるのかなと思いました。僕の子や孫が、ペットの様に車に接する社会は、もう近いのかもしれません。

Citroen DS24 Animation from Benoit Louzaouen on Vimeo.

2011年2月17日木曜日

空気の力で走る電気自動車は本当にエコ?


フランスのMotor Development International(MDI)社が開発している、圧縮空気エネルギーによる自動車。圧縮空気車は、シリンダー内に貯蔵した圧縮空気を使ってエンジン内のピストンを駆動して走る。技術時代は古く、20世紀始めから存在しているが、いまだに実用には至っていない。上の写真の車両は4人乗りのコンセプトカー「AirPod」。リンク先によると、175リットルの圧縮空気でシングルピストン・エンジンを稼働。一回の充填で217キロメートル走行が可能、最高時速は70キロという。インドのTata Motors社と、米国の新興企業Zero Emissions Motors社が、MDI社からライセンス供与している。

しかし、米国の研究者Andrew Papson氏らのグループによると、「圧縮空気車のライフサイクルを分析したところ、結果についてかなり楽観的に想定した場合でさえ、必要となる主要エネルギーや温室効果ガスの放出、ライフサイクルにかかる費用の点で、バッテリー式電気自動車よりも劣ることが判明した。」とのことだ。本当のところはどうなのだろうか。

2011年2月16日水曜日

世界一コンパクトで超軽量な電動自転車YikeBike

電動自転車ときくと、ヤマハPASなどいわゆるママチャリの形をした自転車に、電池とモーターを搭載して、電気アシスト機能をつけたしたものを思い浮かべてしまう。YikeBikeは、開発者曰く、世界で最もコンパクトな電動自転車だという。ただし、自転車とは書いているが、漕ぐ機能はない。どちらかというとセグウェイなどに近い、マイクロEVと言った方が正しいだろう。


19世紀に流行したペニーファージングのような前輪大径、後輪小径という形をしている。前輪の上にすわり、座面の下からのびたハンドルを握って操作する。この配置による操舵感はリカンベントバイクに近そうだ。
1000ワットのハイパワー小型モーターを前のメインホイール内に搭載しているおかげで、坂道も楽々登ることができるという。最高時速はセグウェイより少しだけ早い23km/h。40分でフル充電、航続距離は9.7km。車体がカーボンファイバー製なので、総重量は10kg。PASなどが20kgを超えていることを考えると超軽量だ。そのため、3600ドルと高価だが、将来的には廉価版の展開も考えられているとのこと。

以下はプロモーション映像。みんなが羨望のまなざしを向けるなかを、UFOのような走行音をだしながら駆け抜けていく。

2011年2月15日火曜日

水素自動車の「非公式」最高速度は時速321キロ

常軌を逸したオートバイ好きとして知られるJesse James氏が、水素自動車の陸上スピード記録を非公式に更新した。記録を出した車は、40年以上前の古いレースカーに現代のテクノロジーが詰め込まれたものだ。リフォルニア州のエル・ミラージュ乾湖を時速199.7マイル(321キロ)で走り抜けた。

「巨大なガラクタ」と話す、ベースとなった60年代の車は、『Dees Milodon Engineering - Davis B』という歴史のあるマシンで、塩の味をまったく知らない車ではない。かつて米Chrysler社のエンジンを搭載し、ユタ州にある塩の平原ボンネビル・ソルトフラッツで時速237マイル(380キロ)を出したことがある。

James氏を中心とした熱狂的な取り組みを経て、驚異的なパワーを生み出す、約9.4リットルのツインターボ・シボレーエンジンが組み上がった)。トランスミッションや車体なども改造された。

最初に稼働させたときの動画はこちら


2011年2月14日月曜日

終戦後すぐにつくられていた日本の電気自動車


昨日投稿した「Peugeot VLV」は、1942年に製造されていた。それに遅れること5年、1947年に日本でつくられた電気自動車がこの「たま電気自動車」である。終戦を期に自動車メーカーへの転換をはかった立川飛行機(のちのプリンス自動車)が、東京の府中に工場を借りて電気自動車の開発をはじめた。ガソリンが非常に高価で、逆に電気はあまり気味だった時代だ。


1946年には試作車「EOT-46」2台が完成。これはオオタ トラックをベース車として、ボンネット下にエンジンの代りにモーターを入れるなどの改造をしただけのものだった。その後、独自設計ボディの試作車(EOT-47)など、研究試作を重ね、1947年5月に、乗用車(E4S-47)が完成。「たま」という名前は地名にちなんでつけられた。最高速度は35km、フル充電での走行距離は65kmだったという。6月には「東京電気自動車」に社名を変更し、その後も改良型を次々と発表、2年後の1949年に発表された「たまセニア」は無充電で200kmを走り抜けられたそうだ。1950年にもなるとガソリンの価格がさがってきて、電気自動車の人気は急落、東京電気自動車は、1951年にガソリン車の開発に転身した。


その「たま」が、日産社内にある「日産名車再生サークル」によって再生された。有志が日産自動車に伝わる歴代の名車を、当時の姿、部品のまま走れるようになることを目的に活動しているサークルらしい。これは再生のときに参考にされた当時の図面。


以下は試乗会での様子。スイッチが「断」と「接」というのが時代を感じるかっこよさだ。うぃーんという走行音も良い感じ。

2011年2月13日日曜日

1942年にすでに発売されていた電動のマイクロカー『Peugeot VLV』

昨日投稿した「Peugeot BB1」は、1942年に発売された電動のマイクロカー『Peugeot VLV』をヒントに作られたという。Peugeot VLVは最高時速は約30キロ、走行距離は80キロ程度だった。VLV Voiture Legerere de Ville (軽い都市車)の意味。1941年、戦時下における燃料不足に対応するためにプジョーが開発した電気自動車です。
























第二次大戦時にドイツ軍に占領された時、フランス自動車産業は工場を引き渡すことを余儀なくされています。そんな中、プジョーの開発陣は極秘プロジェクトとして、ある計画を水面下で行っていました。そのプロジェクトがV.L.Vの開発だったのです。写真を見ても解るように、大きなバッテリーを4個を直列で繋ぎ、48Vとし、ボンネットの中に納めています。最高速度は30km/h、バッテリーによる走行距離範囲(航続距離)は約80kmとなっていたようです。


2011年2月12日土曜日

Smartが少しとろけたようなプジョーのチョロQ EVのコンセプト


仏プジョー社のEVのコンセプトモデルBB1。2009年夏のフランクフルトモーターショーで初めて発表され、近年中の量産化をめざし、ヨーロッパでの実装試験中。長さ2.5mの超小型ながら、4人乗りを実現しているBB1。サイズ的にはトヨタのIQに近い。(IQ: 全長2985×全幅1680×全高1500mm / BB1: 全長2500×全幅1600×全高1540mm)Wiredのライター曰く「smartを電子レンジに数分間入れたような外観」という個性的な外観をしている。

後輪二輪がインホイールモーターによって駆動する二駆で、最高時速はおよそ90km/hで走行距離は約120kmという。この数字は決して早かったり長かったりするものではなく、Tesla Motorsなどには到底勝てないが、ことシティーユースに限って言えば、全く問題ない性能であるとも言える。


下の映像はBB1 Projectのプロモーションムービーであるが、この12秒くらいのBB1にのりこむシーン、ハンドルを見ると、航空機の操縦桿のようというより、スクーターのハンドルのようになっているのが見て取れる。さらに、ドライバーはハンドルの真ん中にスマートフォンを装着している。そうするとそれに連動して、インパネが出てくるという仕組みだ。



ちなみに開始3秒のところに、ちょっと変わったものが映っていたことに気づいた人はいるだろうか。白いこのクルマは、1942年に発売された、Pegeot VLVという電気駆動のマイクロカー。BB1の開発ヒントになったクルマであるとされている。ちなみに最高時速は30kmで走行距離は80kmだったとのこと。

2011年2月11日金曜日

内燃機関に速さで勝利するEVたち。

EVはクールさではガソリン車にかなわない、は否定した。Audi社、Mercedes-Benz社をはじめとする各自動車メーカーがエコで高性能なだけでなく、ノリモノ本来のかっこよさ、クールさを持つEVを日々開発している。一度は殺された電気自動車という市場を生き返らせたTesla Roadsterもすごくクールだ。
そしてEVは、内燃機関に速度でも勝利するようになってきた。クールさで負けない、スピードでも負けない。


白い煙を噴くDatsun 1200「White Zombie」は「PLASMABOY」と呼ばれるオレゴン州の愛好家のJohn Wayland氏が自分で改造製作したEVだ。Wayland氏は全米電気自動車ドラッグレース連盟主催のレース常連でもある。このDatsun1200は1972年型、Wayland氏はもう16年間この車に乗り続けている。昨年夏にPortland International Racewayでおこなわれたレースで、「White Zombie」は時速189.53kmというレコード記録でコースを駆け抜けた。ガソリン車も出ていたこのレースで、「White Zombie」は485馬力を誇るNissan GT-Rに勝利した。


この89のナンバーをつけるオレンジ色のバイクは、電動オートバイ。運転するのはプロライダーのChip Yates氏。「WERA Motorcycle Road Racing」において、「Ducati 848」や「KTM RC8」など、レース仕様のガソリン車と接戦を繰り広げ、そのほとんどに勝利し、最上段ではないものの、表彰台に乗ったのである。Yates氏は2007年よりオートバイレースに初めて出場し、2010年には代替燃料を考え始め、SWINGZ.COM Pro Racing USAのクルーとともに、何ヶ月もの時間をかけ、この194馬力、トルク400Nmのスーパーマシンをつくりあげた。総重量は265kg、バッテリーの約3/2のつまるトランク部分が少し不格好ではあるが、これでも時速254kmを記録。今後重量バランスの調整などをしていくことによって、さらなる高速化が見込まれる。

WERA California Speedwayでの車載カメラによる走行の様子。ヒュイーンという聞き慣れない走行音が電動であることを示している。

2011年2月10日木曜日

史上最強のバイク『スーパーカブ』が電動の「EV-Cub」になる。


これまでに6000万台以上が販売された大ヒットバイクのスーパーカブが、ついに電動になる。本田は『東京モーターショー』で二輪車『EV-Cub』を発表した。スーパーカブは1958年、「ホンダのバイクに乗っているのは素敵な人ばかり」というスローガンとともに米国で発売され、不良のシンボルだったバイクを大衆の乗り物に変えた。EV-Cubはそのデザインを見事に進化させた、洗練されたコンセプトモデルだ。






















本田はEV-Cubの詳細をあまり明かしていないが、「世界的に有名なスーパーカブに負けないくらい機能的で便利」と説明している。電動式のスーパーカブというコンセプトは面白そうだ。電動式の乗り物を手ごろな価格で大衆にもたらすEVとして評価したい。ガソリンタンクが不要になったことなどから、シート下には、専用のヘルメットを収めるスペースが設けられている。また世界的なヒット商品になるかもしれない。

2011年2月9日水曜日

誰が電気自動車を殺したか。誰が生き返らせるのか。

「Who Killed the Electric Car? : 誰が電気自動車を殺したか」は2006年にアメリカで公開されたドキュメンタリー映画だ。1996年に米General Motors社がリース発売した電気自動車「EV1」。トムハンクスやメルギブソンなどを含む初期ユーザーたちに絶賛され、予約者リストは5000人を超えた。カリフォルニア州が、電気自動車の導入政策をおこなっていたことも追い風になった。しかし、わずか3年後の1999年に突然、GM社は生産を停止、2003年にはすでに走っていた車体までも、反対運動を展開するユーザーたちから無理矢理に回収し、製造した1117台中、2台を除く1115台を破砕し廃車にしてしまった。突如として、街からも市場からも電気自動車は姿を消してしまったのだ。


ガソリン消費量の減少を懸念する石油業界。電気自動車に比べ利幅の大きい内燃機関の車を売りたい自動車業界。この2大業界から多額の献金を受ける米国政府。こうした既得権益の消滅を恐れる勢力たちが、ありとあらゆる手段で圧力をかけた。カリフォルニア州も、無公害車支援の対象を、販売目処のたたない水素燃料車に変更した。このような状況の中、GM EV1は完成度が高すぎた。それ故に産みの親からさえも、見放されてしまうこととなった。



これがその証拠とも言える、EV1のコマーシャル映像。不気味な雰囲気の映像に、不穏な音楽とナレーション。肝心の車両自体は特徴や仕様が紹介されないどころか、全景すらうつらない。このCMで興味を持てという方が無理な話だった。

そして同時期にEVを世に出した、出そうとしたフォードやトヨタ、ホンダも、というのが、映画「誰が電気自動車を殺したか」の映した、90年代後半の現実だ。これを撮った監督、クリスペインが、いま新しい映画を製作している。一度は見捨てられ、殺されたEVが、経済危機によって大打撃を受けた米自動車業界の起死回生の策として、再浮上してきた現在を追う。この作品の中心にすえられるのは、イーロンマスク率いるTesla Motors。ペイン監督自身、Tesla Roadsterオーナーになったようだ。

「The Revenge of the Electric Car」は2011年春に公開される予定。以下は予告編。公開が待ち遠しい。





2011年2月8日火曜日

マイクロEVが普及する近未来の世界。


セグウェイといえば、誰もが一度くらいは見たことがあるであろう、一人乗りEVだ。発明家のディーンケーメンを中心にして開発され、2001年に発表された。もうあれから10年ほどが経つのだと改めて思うと驚きだ。「人間の移動形態を変える革命的な製品」と絶賛されたセグウェイであるが、日本ではほとんど目にすることがない。その大きな理由は、日本国内の法律では、自動二輪車として分類され、それに基づくと安全基準を満たしていないと判断されるため、公道で走行することができないからだ。先進国でセグウェイが走れない国は日本と英国くらいという。このような背景から、日本では工場内の移動などに限定して、販売をおこなってきた。


世界では7万代が出荷されているセグウェイ、現在日本国内には、約1400台があると言われるが、上記のような理由から一般人が気軽に乗れるような場所はほとんどなかった。昨年12月15日から1月31日までは、関東初の虎ノ門に「SEGWAY TRIAL TOKYO」というサーキットが特設され、1000円で10分感の体験ができた。

これが終わってしまった2日後、新たな動きがあった。茨城県つくば市が、3年かかりで準備してきていた「つくばモビリティロボット実験特区」を内閣府に申請し、3月下旬には認定を受ける見込みがたったという。認可されれば、搭乗型移動支援ロボットという扱いでナンバープレートが付与され、公道を走ることができるようになる。産業技術総合研究所(つくば市)、セグウェイジャパン(横浜市)、日立製作所の3者による実証実験が、(1)つくばエクスプレスつくば駅を中心に、東西南北の大通に囲まれた南北2キロ・東西1キロの範囲内と筑波大キャンパス南部~洞峰公園を縦断するペデストリアンデッキ(遊歩道5・5キロ)(2)研究学園駅から半径約2キロの範囲で、幅3メートル以上の歩道にておこなわれる。

まだ公道をだれでもが自由に走れる、というには遠い道のりではあるが、少しずつ日本でも街中をセグウェイが往来するのを見れる日が近づいてきた。そうなってくると、セグウェイ以外の他社によるマイクロEVの開発が加速するであろう。これまでとはまったく異なる、従来の移動体と移動体を結ぶ、例えば飛行機を降りてからバスに乗るまでなどを結ぶ、新しい小さい移動体がたくさん出てくるようになるはずだ。

動画はSegwayの走行の様子。

2011年2月7日月曜日

EVはクールさではガソリン車にかなわない、を否定する。

「電気自動車」ときくと、まずエコが連想されるため、どうしても日産のLEAFとか、Chevrolet社のVoltとか、そういった大人しい形の一般車がイメージされる。しかし、これからEV時代へ移行していくというとき、クールなスポーツカーも消えてゆくわけはないのだ。スポーティーなEVも存在感を次第にましてきている。


Audi社の「R8 etron」は、Audi社の誇るスーパースポーツのR8のEVバージョンだ。SLS E-Cellと同様、アルミスペースフレーム技術を活用してつくられた軽量ボディーによって、総重量は1.6tに抑えられた。そのうち550kgをリチウムイオンバッテリーがしめる。4輪それぞれにインホイールモーターを採用し、4500Nmという驚きのトルクをたたき出し、0-100km加速は4.8秒。ルマン24時間レースのエキシビションでのデモンストレーション走行で、そのポテンシャルを披露し、好評を得ていた。2012年には市場に投入するという。


Mercedes-Benz社の「SLS AMG E-Cell」は、563馬力を誇り、この運転している感覚はまるで原子爆弾に乗っているようだ、とも評されるSLS AMGのEVバージョンだ。E-Cellは、ガソリン車版に比べると少し劣るが、それでも526馬力だ。停止状態からの60マイル加速は4秒。基本的にはガソリン車と同じアルミニウム製のスペースフレームを使用し、ドライブトレインのコンポーネントを重量配分が最適になるよう再配置したということ。吸排気システムが不要のため、フロントのエアスプリッターとリアのディフューザーが、さらなるダウンフォースを得られるように再調整されており、高速運転時の操作性向上に貢献している。

これはSLS AMG E-Cellの最新映像。良い走りだ。


空力を考えることは、エコにもつながるし、スピードにもつながる。吸排気がなくなり新しい形の模索もできる。内部の重量配置も新しく考えられる。急発進、急加速でどんなに大量の電気を消費しても「CO2排出ゼロ」であることは間違いない。EVスーパースポーツはこれからもっと発展していく可能性が多いにあるカテゴリだ。

2011年2月6日日曜日

和紙や漆、竹でつくられた日本のEV -環 Meguru-

オートモーティブワールド2011や第2回 EV・HEV 駆動システム技術展など、各地の展示会にて、ひときわ目立っているのがこのEV。大阪の淀川製作所が中心となって関西圏の中小企業4社がおこなっている「あっぱれ!EVプロジェクト」の製作した、純日本製EVだ。環 -Meguru- という名前のこのEVは、日本の伝統的な素材をふんだんに取り入れてつくられている。ボディは漆塗り、床は竹敷き、ハンドルは籐、ドアとサンルーフは、和紙と竹でつくった大きな扇だ。


こういったmicroEVでは、原付一種登録を目安としたひとり乗りが多いが、これは側車付軽二輪登録となっており、3人で乗車することができるのも特徴。タイやラオスなどのトゥクトゥクに近いような形にも見て取れる。現在はこの試作車1台のみが完成しており、これを全国各地のイベントに出展している。4月には、量産型を完成させる予定とのことで、将来的には100~150万円程度での販売を目標としている。以下の動画は、第2回 EV・HEV 駆動システム技術展で撮影された映像。小倉庸敬淀川製作所社長による説明が聞ける。


http://www.meguru-ev.com/

2011年2月5日土曜日

VenturiのEVは太陽光発電 + 風力発電


独創的なデザインのEVを発表し続けるフランスのメーカーVenturi。そのラインナップの中でも特にインパクトがあるのが、このモデルだ。22馬力のこのEVは、家にいるときにはもちろん電源コードからでも充電でき、外にいるときには、屋根一面に貼られている2.5平方mのソーラーパネルから電力を作ることもでき、「force wheel」という仕組みで、ホイールにあたる風を電気に変えることもできるという。1回の充電で、80km/hで160km走れるとのこと。

以下は走行の様子を映した映像。写真だとゴルフカートっぽくも見えるが、映像で見ると存在感もあり、てきぱき走っているので、そういった感じはあまり受けない。

2011年2月4日金曜日

EVは駆動部のプラットフォーム化で、乗車部の可能性が広がる。


この画像はGMが2001年のデトロイトモーターショーで公開した「AUTOnomy」というコンセプトモデル。それまでの自動車の常識を覆す革新的な考え方で衝撃を与えた。ステアリングやブレーキなど、従来は機械式であったものもすべて電気制御にし、車両の走行に必要な基本構造を厚さ約15cmのスケートボード状のシャシーに集約するというもの。オートノミーは燃料電池自動車としてのコンセプトであったが、このシャシーに全機能を要約するというのはEVにも適用できる考え方だ。GMのスケートボードシャシーのプロジェクトは、その後2002年の「Hy-wire」、2005年の「Sequel」というコンセプトモデルへと継続している。


そしてこれがオートノミーと同様の考え方をもって開発された、「TREXA」のEVの車体プラットフォーム。世界初のリチウム電池式EVの開発用プラットフォームだ。走行に必要な機能はこのシャシーの中にすべて搭載されており、上に装着する乗車部は、各自が好きなものをつくることができる。開発者キットにはCADなども同梱されているらしい。どんな種類の車体にも適した調整が可能なように、トルクやサスペンション、最高速度などは幅を持って設計されているとのこと。フル充電には4時間かかり、航続距離は約170kmだ。

映像はイスラエルのEV関連サイトが投稿したTrexaの説明映像

2011年2月3日木曜日

EVデロリアンと実証試験中のMINI Eの2ショット。


広島で撮影されたこの写真。写っているのはデロリアンとMINIだが、共通しているのは両車ともガソリン車のボディーをベースにした、EVであるという点だ。素人集団がつくっているものと、会社が量産化に向けてつくっているものだが、根本のコンセプトは似たようなもの。

デロリアンと言えばバックトゥーザフューチャーに出てくるクルマ。この形や名前を一度は見た聞いたことがあるという人は多いのではないだろうか。そんなデロリアンの事故で不動車になっていたものを、EVに改造してしまった人たちがいる。日本EVクラブ広島支部の藤井智康氏を中心とした有志のグループだ。約1年をかけて2009年の3月にひとまず完成した。

映画のバックトゥーザフューチャーで、ドクが「どうせタイムマシンを作るならカッコイイ方がいい」とデロリアンを選んだ理由を言っているのと同じく、どうせEVをつくるならカッコいい方がいいのではというのが原点。EVデロリアンも劇中のデロリアンと同様、アップグレードを繰り返し、最新技術を分かりやすく魅力的に、一般市民へ紹介する「メディア」として使われていくようだ。



対するMINI EはBMWがMINIをもとに手がけたEV。2008年のロサンゼルスモーターショーで初披露された車両。2013年の量産化を目指して、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、ベルリンなどで実証実験を実施している。昨年末からは東京でも東京電力と早稲田大学の協力のもと、20台での実証実験が始まっている。うち14台はインターネットで募集された一般人モニター。MINI Eは後部座席がバッテリーにあてられているため、2人乗り。ちなみにこのバッテリー容量は35kWhで、EVデロリアンの3.6倍以上あるそうだ。

2011年2月2日水曜日

LEAFのAero Styleに見るEV時代の新しいスポーティーさとは。


日産の量産型5人乗り電気自動車のLEAF。2009年の東京モーターショーで一般向けに初公開され、昨年12月に米国と日本で先行販売が開始された。販売目標台数であった、米国で2万台、日本国内で6千台はいずれも予約だけで埋まったという好調な売れ行きだ。

先月中旬に開催された、国内最大級のカスタムカーの祭典 東京オートサロン2011。この日産ブースにて、専用エアロパーツを装着したLEAF Aero Style Conceptが展示されていた。EVの未来的なスポーツドライビングのイメージを表現したコンセプトカーと言うだけに、販売されている普通モデルとは、ひと味違った印象を受けるスタイリングだ。

従来の内燃機関の車は、大開口部から空気を取り込み、大量のガソリンを燃やし、たくさんの排気を出すという点にスポーティーさ、力強さを求め、感じていた。しかし、これからのEV時代には、できるだけ開口部を減らしガソリン車とは違うということを強調した上で、空力の最適解を追求したフォルムに、スポーティーさを求めるようになってくるだろうという予想に基づいたデザインとのこと。

いきなり今までの「車」のイメージとかけ離れたものが出てきても、消費者は戸惑ってしまうかもしれない。少しずつ、ガソリン車的要素は排除されてゆき、未来のEVの標準形が決まってゆくのだろう。

動画は、東京オートサロンでの展示の様子と、日産自動車デザイン本部プロダクトデザイン部の酒井淳一さんのインタビュー。

2011年2月1日火曜日

電力車と名付けられたMercedes-BenzのコンセプトEV

ロサンゼルスモーターショーの恒例イベントであるデザインコンペ『Design Challenge』
2010年11月におこなわれた7回目のテーマは、軽量で、衝突安全性や快適性能も万全の、スタイリッシュな車のデザインを競うというもの。重量1000ポンド(454キロ)、人員含めて1500ポンド(680キロ)までという条件だ。
エントリーしたのは、GM、ホンダ、ヒュンダイ、マツダ、メルセデスベンツ(スマートとマイバッハ含む)、日産、トヨタ、ボルボの8社。


ここでMercedes-Benzが超高級車部門のMAYBACHブランドとして公開したのが、このコンセプトモデル『Maybach DRS』(Den-Riki-Sha:電 力 車)。Mercedes-Benz社で研究開発を手掛ける日本の『Advanced Design Center』によるデザイン。明治最初期に東京で発祥した伝統的な人力車をモチーフにしたEVで未来のシティトランスポーターという設定の提案だ。

セグウェイと同じような、倒立振子の制御技術を応用した、インホイールモーターを核としたセルフバランスの電動駆動ユニットを搭載。電動自転車のように、人間の足によるペダルパワーをモーターがアシストする機能を備えているのが面白い。「人力車」らしい。これによって、さらなる航続距離延長が期待できるという。

エクステリアは、マイバッハブランドにふさわしい高級感。開閉式のルーフは、素晴らしい眺望を提供する。大人4名とその荷物を積載できるスペースを確保。夜間走行時のために、バリエーション多彩なイルミネーション機能も装備した。

同ブランドとして初めて、NMV(ナチュラリー・マニュファクチャード・ビークル)と呼ばれる、限られた顧客のための少量生産に対応する手法を導入するという。

マイバッハは、「DRSはブランドの伝統を継承し、未来の交通社会に優雅さを添える1台」とコメントしている。