2011年9月29日木曜日

三輪車のようにも見えるEVシティコミューターコンセプト「VELV」



フランスパリで開催されている「ADEME(フランス環境エネルギー管理庁)イノベーションフォーラム」にて公開されたコンセプトEV「VELV」。PSAプジョーシトロエンの考える近未来のシティーコミューターだ。特徴的な外観をしている。トレッド幅を限界まで狭めて三輪車のようにも見える後輪、羽を広げたように開くガルウィングドア。最小回転半径3.6mと小回りが効く。しかし3人乗車と中は広い。


最大出力27psという決してハイパワーではないモーターを採用しているが、車重650kgという軽量さによって最高速110kmを実現。二次電池として蓄電容量8.5kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、1回の充電で最大航続距離は100km。どちらも他メーカーのスポーティーEVなどに比べると小さい数字だが、シティーコミューターとして捉えれば十分の性能だ。

2011年9月26日月曜日

宙に浮くE-CELLの骨


2月に書いた「EVはクールさではガソリン車にかなわない、を否定する。」という記事でも取り上げた、カッコよくて速いEVの代表格的存在ともいえる、MERCEDES SLS AMG E-CELL。4輪それぞれにモーターを搭載し、最大出力533ps、最大トルク89.7kgmをほこる。0-100km/h加速は4秒と、ベース車SLS AMGの3.8秒にかなり迫っている。
フランクフルトモーターショーで一風変わった展示がされ、話題をよんだ。E-CELLの骨格だけが宙に浮かんで展示された。車体の骨の展示は、21_21の骨展を思い出す。これはCFRPとアルミで構成されたE-CELLの軽量かつ強固なボディの運動能力と安全性の両立を示すためのもの。開発は順調とのことで、2013年には市販される予定。

2011年9月25日日曜日

EVの車載インフォテインメントシステムもAndroid OS


欧州のITサービスプロバイダTietoが発表、デモンストレーションを披露した、EV用の次世代車載インフォテインメントシステム。フランクフルトモーターショーにも出展されている。このシステムは、スマートフォンやタブレットでおなじみのAndroid OSを採用し、それらと同じように、全ての動作をタッチでおこなえる。
アプリケーションのダウンロードインストールによる機能追加も、スマホなどと同様。EVの電池残量や、そこからわかる航続可能距離などを表示するアプリや、最寄りの充電ステーション検索アプリなどが考えられている。無線LAN、Bluetooth、USB、microSDなどスマホ、タブレットと同じ外部との通信・接続方法を持ち、クラウドとも連携する。
すでにiPadや、BlackBerryを個人的にカーナビとして使用している人もいる。メーカーのコンセプトカーに埋め込み搭載されている場合もある。これらとの違いをどうやって出していくかが今後のカギとなりそうだ。

2011年9月23日金曜日

東レの材料をゴードン・マレーがデザインした超軽量EV


東京国際フォーラムで開催された、「東レ先端材料展2011」で公開された、東レの新しい炭素繊維などでつくられたコンセプトEV「TEEWAVE(ティーウェイヴ)AR1」。「東レのエコロジーとエフィシエント技術で新たな波を起こす」ために「コンセプトに約3か月、製作に約9か月かけ、この8月末に完成しました」と同社関係者が語る力作だ。三菱ケミカルと帝人も既に自社の素材のアピールのためにEVをつくっているが、それらとの違いは、ナンバーを取得していて公道を走れるという点。


このEVのデザインを担当したのがゴードンマレーデザイン社。マクラーレンF1をデザインしたことで知られるゴードンマレー氏ひきいるデザイン会社で、自社でもシティーコミューターEV「T.27」を開発している。(Gordon Murray Design社の小型EV「T.27」)東レのカーボンファイバーをはじめとした新素材によって、240kgのバッテリーを含めて、車重は846kgと軽量に仕上がっている。最大出力64ps、最大トルク18.3kgmのモーターを搭載し、0-100km/h加速は11.4秒、最高速は147km/h。16kWhのリチウムイオンバッテリーは満充電約6時間で、最大航続距離は186km。



東レ関係者は「次は4人乗りの車に挑戦したい」と語っている。

ソースはレスポンス

2011年9月22日木曜日

フィスカーのレンジエクステンダーEVの第二弾が登場



デンマーク出身、元アストンマーチンの自動車デザイナーのヘンリクフィスカーが2007年に起業したEV/PHVベンチャーのフィスカーオートモーティブ。2012年より製造販売が決定している4ドアスポーツのカルマに続く、第二弾として、4ドアワゴン「サーフ」が、フランクフルトモーターショーで公開された。カルマのコンポーネントをベースとして、そのボディ後部を延ばし、荷室を持たせるシューティングブレークスタイルというのが特徴的な点。

カルマは発電専用エンジンを搭載するレンジエクステンダーEV。最大出力403ps、最大トルク132.6kgmのモーターを2つ搭載し、0-96km/h加速5.9秒、最高速度201km/hを実現。家庭用電源から充電できる二次電池は蓄電容量22kWhのリチウムイオンバッテリーで、無充電で80km/h走行可能。電池容量が少なくなると、エンジンが起動し、この充電によって最大航続距離は480kmまでのびる。またカルマは、「マルチスピードギアボックス」と命名された独自の新技術EV用トランスミッションを装備することにより、ブガッティが誇る世界最高のスーパーカーヴェイロンに並ぶパフォーマンスを実現するとも主張されている。

シューティングブレークとは、通常の車両のリア部分を延長あるいは拡大し、ステーションワゴンに類似の形状とすることによって確保した、広いリアスペースに、猟銃や猟犬、仕留めた獲物を乗せることを目的とするもので、外部ビルダーによって高級カスタム車として作られることがほとんどで、現行の自動車メーカーがつくっているものでは、フェラーリFFが唯一の存在である。
「サーフ」は2013年に発売予定。

2011年9月21日水曜日

あなたの愛車はいくらで電気自動車に生まれ変わるのか?



「コンバートEV見積ナビ」というWebサイトが始まった。EV化の流れが押し寄せてきている昨今、日産リーフや三菱i-Mievなど各社から様々なEVが発売されてきてはいるが、それでも私はこのクルマに乗り続けたい、と思う方も、それなりの人数はいるのであろう。既存のガソリン車を電気自動車にコンバート=改造する業者が全国にたくさん出てきた。多くは小さな街の自動車整備工場のようなところである。「『コンバージョンEV』事業は、大手メーカーではなく、全国の地場産業が主役となり、地方経済の活性化への効果が大きく、これまで「縁の下の力持ち」であった、町の自動車整備工場、ガソリンスタンド、自動車解体業者などが、EVビジネスへの新規参入に意欲的に動きはじめました。」(サイト内案内文より) いま注目されつつある、この改造EVビジネスの流れを円滑にするべく生まれたのがこのサイトというわけだ。利用者は、匿名、無料でサイトに登録している複数の改造EV業者から見積もりをとることができる。必ずしも新しい「電気自動車」を買わなくても良いという選択肢が選びやすくなるのは、旧い自動車好きにとっては良い流れではないだろうか。

コンバートEV見積ナビ

2011年9月19日月曜日

5ナンバーサイズにおさまりつつ4人快適乗車の日本向けなAudiのコンセプトEV


開催中のフランクフルトモーターショー。縦2人乗りのタンデム式シティーコミューターのコンセプトUrban Conceptも発表していたAudi。もう一台EVコンセプトの発表があった。「A2」というのはもともと1999年から2005年まで製造販売されていたスーパーミニ・カー(イギリスにおける乗用車のカテゴリーであり、「シティ・カー」よりも大きく、「スモール・ファミリー・カー」より小さい乗用車)。

この6年ぶりの復活としてでてきたコンセプトで、パワートレインがEVになって戻ってきた。最大出力116ps、最大トルク27.5kgmのモーターが前輪を駆動する。蓄電容量31kWhのリチウムイオンバッテリーを二次電池として床下に配置。0-100km/h加速は9.3秒、最高速は150km/h(リミッター作動)。CFRPを多用したボディーによって車両重量は1150kgと軽量。そのおかげもあってか、1回の充電4時間でフル充電、航続距離は200km。

自転車をつんでいるのが見えるコンセプトスケッチはちょっと面白い。5ナンバーサイズで中は広々なのがよくわかる。

2011年9月18日日曜日

VWのパーソナルモビリティコンセプト


audi、OPELに続き、フォルクスワーゲンからもシティーコミューターのコンセプトEVが公開された。audiとOPELは二台とも縦2人乗りのタンデム式であったが、このフォルクスワーゲン「NiLS」は1人乗り。極限まで効率を高めることを目標としており、アルミスペースフレーム構造を採用した車重は超軽量の460kg。そのうち、一体設計されたバッテリーモータートランスミッションは19kg。パワートレインのレイアウトはF1マシンと同じという。最大出力34ps、最大トルク13.3kgmのモーターに、蓄電容量5.3kWhのリチウムイオンバッテリーの組み合わせで、0-100km/h加速11秒以下、最高速130km/h、航続距離65kmを実現。充電は最速で2時間で完了する。VWによると「ゴーカート感覚のハンドリング性能を備えている」とのこと。中々楽しそうなクルマだ。



source:Response

2011年9月17日土曜日

LGがGMとEVを共同開発


電子や化学など多数の傘下企業を持つ韓国一大のLGグループが、米GMとEVを共同開発することが発表された。現在GMのレンジエクステンダーEVであるシボレーボルトとオペルアンペラが搭載しているリチウムイオンバッテリーはLG化学製。この両者の関係を、一歩深いものにするというのが今回の動き。デザインとエンジニアリングを共同でおこない、ラインナップ拡充のスピードアップを狙う。
GMのスティーブ・ギルスキー副会長「今回の提携により、次世代EVの開発時間とコストの短縮が可能になる」
LGグループのJuno Cho社長兼COO「GMがEV分野のリーディングカンパニーになることを全力でサポートする」

オペルアンペラのティーザームービー

source:Response

2011年9月15日木曜日

audi R8のEVバージョンがほぼ市販を待つのみの形に!



このブログでも開発中であることを何度か書いてきたaudi R8のEVバージョン「R8 e-tron quatro」。ドイツで開催中のフランクフルトモーターショーで、ついにほぼ市販される形と同じというプロトモデルが発表、展示されている。前後に2つずつ計4つのモーターを搭載し、4輪駆動。最大出力313ps、最大トルク459kgmを発揮し、0-100km/h加速4.8秒、最高速200km/h(リミッター作動)を実現する正真正銘のスポーツカーだ。蓄電容量53KWhのリチウムイオンバッテリーを二次電池に採用し、最大航続距離は250kmとなった。


これは構想初期2009年夏のスケッチ。それから3年を経て2012年後半に発売予定。少量の限定生産とのこと。日本には入ってくるのだろうか。

audiオフィシャルの予告サイトelectricityuntamed.comには、「電気」の凄まじいパワーを伝えるための様々な動画が掲載されている。下はそのひとつ、静電気によってはじき飛ばされる少年。



2011年9月14日水曜日

「BRABUS」からEクラスベースのEVが登場!



メルセデスと関係の深い、カスタムチューナーの「BRABUS」。最近では、スマートフォーツーにもブラバスの名前を冠した特別モデルが登場するなど、メルセデスベンツとの関係はますます深まっていっている。そのブラバスが、メルセデスのEクラスをベースとした、EVを制作した。コンセプトカー「BRABUS hi-performance 4WD full electric』を、フランクフルトモーターショーへ出品した。本家メルセデスベンツに先行してEVを発表してきたところは注目だ。
マッシブなイメージのブラバスらしく、4輪にハブモーターを装備し、最大出力435ps、最大トルク326.3kgmという圧倒的大出力を実現。2190kgというヘビー級の車重だが、0-100km/h加速6.9秒、最高速220km/hをたたき出す。二次電池には、蓄電容量56kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを採用し、最大航続可能距離は350km。

カスタマイズカーもだんだんとEV化が進んでいく。ブラバスは、EVスポーツカーのパイオニア、テスラモータースのロードスターのカスタムも手がけている。

2011年9月13日火曜日

OPELのコンセプトEVもタンデム式シティーコミューター


GMの欧州部門であるオペルと、英国でのブランド、ボクスホール。GMシボレー「ボルト」と基本部分が同じであるエンジン併用型レンジエクステンダーEVオペル「アンペラ」。ネット上にアップされたフランクフルトモーターショーのプレスカンファレンスの招待状には、この「アンペラ」の隣にベールにつつまれたコンセプトカーがうつっていた。

開幕とともにエクステリアも公開されたこれは、シティーコミューターのコンセプトカーだった。audiのシティーコミューターコンセプトで紹介した、audiのコンセプトEV「Audi Urban Concept」と同じく、縦二人乗りのタンデム式。コンセプトカーの詳細は未公表だが、オペルは「アーバンモビリティにおいて、ゼロエミッションを実現する実験車」と説明している。
オペルは、2013年市場投入を目指して、トヨタiQと同程度のサイズのサブコンパクトEVも開発しているのではないかと噂されている。

2011年9月12日月曜日

ボディ塗料で自己発電するsmartの最新EVコンセプト



独ダイムラー社がドイツを本拠地とする世界最大の総合化学メーカーBASF社と共同で、電気自動車の未来像を提示すると謳われるコンセプトEVが「smart forvision」を開発した。一番の目玉技術は、塗料のように車体に塗って使える有機太陽電池。これをルーフに塗ることによって、従来のEVより航続距離をのばそうと試みる。天井にある六角形の部分が、それであり、ここからの発電によって、マルチメディアコンポーネントとエアコンに必要な電力をまかなう。



太陽光発電塗料の他にも、省エネ型の透明有機発光ダイオード、世界初の軽量オール樹脂製ホイール、軽量カーボンファイバー混合樹脂ドア、赤外反射膜塗料など合計5つの世界新技術を使用したパーツで、驚くべき軽量化も達成した。天井の発電と、徹底した軽量化と車内温度管理システムによって、航続距離において従来比20%の改善がみられたという。
スマートのトップ アネット・ウィンクラー氏は「スマート フォーヴィジョンは都市における持続可能なモビリティの在りかたを提案するあたらしい電気自動車。走行距離を伸ばすため、ベースとなったスマート フォーツーを全面的に見なおした」と語る。明日から開幕するフランクフルトモーターショーにて公開される。
source:openers

2011年9月11日日曜日

シトロエンのコンセプトカー"Tubik"まるで部屋にいる様な車内空間、EVが作る未来では車の空間さえ移住空間に。



















シトロエンのコンセプトカー 運転席を独立させたスタイルです。 シトロエンブランドを再解釈させるような、"Tubik"というコンセプトカーを発表しました。 この車はハイブリッドミニバンであり、9人乗りです。向かい合って座ったり、中央の座席をテーブルにしたり、ベッドの様なシートにしたりと、まるで部屋にいる様な感覚の車内空間が構成されています。EVがもたらす 未来では車自体を部屋として使用したり、部屋にいながら移動しているような、そんなライフスタイルが訪れそうですね。

Citroën Tubik Teaser from Laurent Nivalle on Vimeo.
【部屋にいる様な車内空間 未来では車の空間さえ移住空間に成り得る】http://www.fubiz.net/2011/09/05/citroen-tubik-concept/

2011年9月8日木曜日

手作りEVで歴史ある白壁土蔵群の中をゆったり散策!



鳥取県の倉吉市にはたくさんの白壁土蔵の蔵が残っている。赤瓦の木造建築とあわせ、風情あふれる街だ。この中を案内してもらいながら紾のにベストな方法がEV「れとろん」。近くの打吹山に残る天女伝説にちなみ「10-24」ナンバーの手作りコンバージョンEVだ。地元のクルマ好きの有志が、手探りで組み立てていったらしい。レトロな丸みを帯びた小豆色のボディに、人力車のような幌天井。一晩8時間の充電で、40分ほどの周遊ツアーを5回できるという。



ドライバーの岡留明さんによる素敵な観光案内とともに、静かにとけこみ街の中を進む。もともと一ヶ月の限定の予定だったが、人気があり延長されている。鳥取にいく機会がある方は是非お試しを

れとろん

2011年9月4日日曜日

Torinoで行われたインスタレーション "Formula" の道路の縁石らしきものとスクリーンに映る多くの馬を動かすことによって、本来は静止しているフォーミュラーカーが高速で動いているように見える。

馬は内燃機関が登場するまでは、移動するための道具として地球上最速の乗り物だった。そのためか?イタリアの未来派の提唱した「速度主義」の中に馬は頻繁に登場する。このフェラーリのTorinoで行われたインスタレーション "Formula" の道路の縁石らしきものとスクリーンに映る多くの馬を動かすことによって、本来は静止しているフォーミュラーカーが高速で動いているように見える。蒸気機関、内燃機関、そしてEVと車のエンジンは三世代目を迎える。

Museo Dell'Automobile di Torino - Formula Installation from Enrico Ascoli - Sound Design on Vimeo.

未来派(フューチャリズム)とは、過去の芸術の徹底破壊と、機械化によって実現された近代社会の速さを称えるもので、20世紀初頭にイタリアを中心として起こった前衛芸術運動。この運動は文学、美術、建築、音楽と広範な分野で展開された
『……機銃掃射をも圧倒するかのように咆哮する自動車は、《サモトラケのニケ》よりも美しい。……』(未来主義創立宣言(1909年)より引用)
フィリッポ・トンマーゾ・マリネッティは1909年2月29日、パリの「フィガロ」紙に「未来主義創立宣言」を発表した。その中に有名な言葉が登場する。「速度の美」の華々しい称揚「速度主義」である。それを体現するのが「自動車」、対照的に引き合いに出されるのが「サモトラケのニケ」である。
《サモトラケのニケ》マリネッティが未来派宣言の中で凌駕するべき静止した芸術の例として挙げた。
Installation: "Formula" (Museo Dell'Automobile di Torino)

Project credits:
Client: Museo Dell'Automobile di Torino
Concept: N03!
Design: N03!
Editing & compositing: Rino Stefano Tagliafierro
Sound design: Riccardo Castaldi, Enrico Ascoli
8ch Audio Surround: AeG Soluzioni, Riccardo Castaldi, Enrico Ascoli